Photo by Atirador / CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
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目次

概要

名称United Defense M42
メーカーユナイテッド・ディフェンス(UD)
系列M42系
口径9mm口径
種類短機関銃
作動方式ブローバック
作動方式詳細シンプルブローバック
発射方式セミオート / フルオート
原産国アメリカ
登場年1942年
使用弾薬9x19mm
全長820mm
銃身長279mm
重量4.1kg
装弾数25発
発射速度700rpm
有効射程150m

特徴

United Defense M42は第二次世界大戦期のアメリカ製サブマシンガンである。トンプソンM1928の代替を目的として設計され、より生産効率を高めた構造を特徴とする。しかし実際には構成部品の多くが機械加工を必要とし、戦時量産下では高コストな製品となった。

重量は約4.54kg、全長820mmで、ストレートブローバック方式によるシンプルな作動を採用している。発射速度は毎分700〜1000発の範囲にあり、精度と分解整備性ではトンプソンやステンMk.IIを上回る評価を受けた。開発時の単純化志向により信頼性と整備性を両立したが、マガジン剛性不足などの問題も指摘された。

歴史

M42の設計は1940年、ハイスタンダード社の技師Carl G. Swebiliusによって開始された。英国向け機関銃製造の転換に伴い、開発はUnited Defense Supply Corp.に引き継がれた。同社は生産設備を持たず、実際の製造はMarlin Firearmsが担当した。

本銃は米軍がトンプソンの高価格と生産複雑性を懸念したため代替案として検討されたが、法的権利関係の煩雑さにより大量調達は実現しなかった。9mm型のみが量産され、.45ACP仕様は6挺のみ試作に留まった。戦時中の評価は概ね良好で、OSSやレジスタンス組織に限定的に配備された。1943年にM3サブマシンガンが正式採用されると、M42は代替標準品として分類された。

構造

M42はストレートブローバック式で、セレクティブファイアにより単発と連射の切り替えが可能である。構造は極めて簡潔だが、全ての主要部品が削り出しによって製作されており、プレス加工部品の使用はない。このため製造労力とコストが高かった点が欠点である。

給弾には25連発箱型マガジンを用い、補給を容易にするために2個のマガジンを溶接結合したタイプも採用された。これにより迅速な再装填が可能となったが、泥や砂への耐性が弱く、汚損時には給弾不良が起きやすかった。銃身は右回り6条ライフリングを持ち、有効射程100ヤード前後で比較的高い命中精度を示した。

運用と実戦運用

M42は当初米軍向けを目的としていたが、実際にはOSSや英軍主導の欧州レジスタンスへの空輸供給に重点が置かれた。特にクレタ島のパルチザン、イタリア、ベルギー、オランダ、ノルウェーのレジスタンスが運用した記録がある。

また、フィリピン軍や憲兵隊において戦後期まで使用され、中国戦線でもアメリカ海軍基地経由で義勇軍と国民党勢力に供給された。9mm弾の採用は、敵軍からの鹵獲弾薬を利用できる利便性を持ち、再補給を要さない特徴となった。米軍では主力採用に至らなかったが、特殊作戦環境では高い実用性を示した銃であった。

派生型

M42には大きな派生型は存在しないが、口径違いの試作版が6挺製造された。.45ACP仕様は軽度の構造変更が行われたものの、量産には至っていない。

一部資料では二連マガジン仕様を補給改良型として扱う例があるが、これは正式な派生型ではなく現場運用上の工夫に過ぎない。

参考情報

本銃は資料によってUD M42またはMarlin M42とも記される。後者は製造社名に由来する呼称であり、設計元ではない点に注意が必要である。

少数が各国で戦後も残存したとされるが、公式な再配備記録は限られている。

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