SAKO TRG-42(ボルトアクション狙撃銃)- フィンランド製の長距離精密ライフル

Photo by Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
Photo by Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
目次

概要

名称SAKO TRG-42
メーカーSAKO(サコ)
系列狙撃銃系
口径.338口径
種類狙撃銃
作動方式手動
作動方式詳細ボルトアクション
原産国フィンランド
登場年2000年
使用弾薬.338 ラプアマグナム
全長1200mm
銃身長690mm
重量5.1kg
装弾数5発
有効射程1500m

特徴

TRG-42は、長距離狙撃用の専用ボルトアクションライフルで、軍隊・法執行機関・競技射手向けに設計された高精度銃器である。.338 Lapua Magnumや.300 Winchester Magnumといった大型マグナム弾に対応しており、冷間鍛造による重めのバレルと剛性の高いボルトアクションを組み合わせることで、1,000 m級の距離でも1 MOA以下の精度を安定して得られる。

照準用の統合ピカティニーレールや調整可能なストック、左右利き対応セーフティ、2段式の調整トリガーなどを備えるため、光学スコープの大型化や異なる射手の体型・射撃姿勢に対しても柔軟に対応できる。

また、バレルはサイドベント式マズルブレーキ付きで、マグナム弾から発生する強い反動とマズルジャンプを抑える構成となっている。

歴史

TRG-42は、1989年に登場したTRG-21/TRG‑41シリーズを踏まえて、1999年に軍用・長距離狙撃用に改良したTRG‑22/TRG‑42シリーズとして発表されたロングアクションモデルである。TRG-41の構造を発展させ、ストックの形状やマズルブレーキ、レシーバーの剛性を改善することで、より実戦的な使用状況でも安定した精度を発揮できるようにした。

2000年以降、TRGシリーズはフィンランド軍をはじめとする欧州・アジア・北米の軍隊や特殊部隊、法執行機関によって採用され、アフガニスタン戦争やイラク戦争、ウクライナ戦争などでも実戦運用が確認されている。

TRG-42は、2007年の一部モデルのリコール対応や、2013年のトリガーやボルトリリースの改善など、運用フィードバックに基づく段階的なアップデートを経て、現在の軍用狙撃ライフルとしての位置づけを維持している。

構造

TRG-42は、3ロックラグを持つボルトと60度のボルトリフト角を採用したボルトアクションであり、大型マグナム弾に対して高い耐圧性とスムーズな操作性を両立している。バレルは冷間鍛造特殊鋼合金製のヘビーコンターで、フリーフローティング構成により、ストックや前部の補助具の干渉を受けにくく、長期射撃でもゼロの狂いを抑制しやすい。

マガジンは、センター・フィーディング方式の2段式スタッガードボックスマガジンで、.338 Lapua Magnumで5発、.300 Winchester Magnumで7発の容量を備える。

ストックはポリマー系材に内部アルミフレームを組み入れた構成で、長さ(L.O.P.)や頬当ての高さを調整可能であり、後期のTRG-42 A1ではアルミ中間フレーム+折り畳みストック+M‑LOKフロントエンドを採用し、よりモジュール性の高い構造になっている。

運用と実戦運用

TRG-42は、軍の狙撃班や特殊部隊、法執行機関の特殊武器対応部隊など、長距離狙撃が求められる部隊で運用されており、1,500 m級の射程で高エネルギー弾を用いて遮蔽物や軽装甲目標を狙う用途に適している。光学スコープとして、ツァイスやシュミット・アンド・ベンダー製の高倍率スコープを組み合わせることが多く、長距離射撃における風修正や標高修正を容易にしている。

公開情報では、インド軍が国境地帯(LoC)にTRG-42を導入し、旧来の.338および.50 BMG狙撃銃を置き換える動きがあったとされるなど、南アジアや欧州の軍隊がTRGシリーズを長距離狙撃の主力として位置づけている。

また、長距離狙撃競技や国際的な射撃大会(CISMなど)でも、.338ラプアマグナム搭載のTRG-42は、1/2 MOA程度の精度保証を前提にした競技用プラットフォームとして広く利用されている。

派生型

TRG-42を基にした主要な派生型には、TRG-42 A1があり、アルミ製中間フレームと折り畳み可能なストック、M‑LOKフロントエンドを採用した構成を特徴とする。TRG-42 A1は、TRG M10シリーズのストック構成を一部流用しつつ、マルチカドリール対応のM10とは異なり、単一口径向けの狙撃ライフルとして位置づけられている。

TRGシリーズ全体としては、TRG-21/TRG-22/TRG-41/TRG-62 A1など、口径やアクションサイズを異なる仕様で展開しており、TRG-42はその中でも.300 Winchester Magnumと.338 Lapua Magnumを主に扱う長アクション型として位置づけられている。

また、TRG-62 A1はさらに大型の.375 CheyTac弾を用いたモデルで、TRG-42の延長線上に位置する超長距離狙撃用途向けの発展形として扱われている。

参考情報

TRGシリーズは、フィンランドのライヒマキにあるSako工場で設計・製造されており、「Tarkkuuskivääri Riihimäki G‑sarja」(ライヒマキ精密銃Gシリーズ)の略称で呼ばれる。TRG-21/TRG-41を前身とするTRG-22/TRG-42は、TR-6ターゲットライフルとValmet Sniper M86の技術を継承したシリーズであり、ボルトアクション狙撃銃としては、Accuracy International AXやCheyTac M200といった他社競合モデルと比較対象として評価されることが多い。

日本語表記では「SAKO TRG-42」を「サコ TRG‑42」またはそのまま「TRG‑42」と呼ぶことが一般的であり、カタカナ外来語表記は、既に定着した「サコ」「フィンランド」「スコープ」など、通常の銃器記事で用いられる呼称に合わせて統一して扱う。

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