
概要
| 名称 | ヴェープル12モロト |
|---|---|
| メーカー | モロト(Molot) |
| 系列 | RPK系 |
| 口径 | 12 ゲージ口径 |
| 種類 | セミオート散弾銃 |
| 作動方式 | ガス作動 |
| 作動方式詳細 | ガス作動 / ロングストローク |
| 発射方式 | セミオート |
| 原産国 | ロシア |
| 登場年 | 2003年 |
| 使用弾薬 | 12 ゲージ |
| 全長 | 1057mm |
| 銃身長 | 430mm |
| 重量 | 3.9kg |
| 装弾数 | 5/8/10/12発 |
| 有効射程 | 50m |
| 前身 | RPK-74 |
特徴
ヴェープル12モロトはAK系統の中でも特にRPK(ルチョイ・プレミョート・カラシニコフ)のレシーバーを流用して設計されており、標準的なAKベースの散弾銃と比較してフレーム肉厚が大きく、剛性・耐久性に優れる点が最大の特徴である。
ガス圧利用式の作動機構はバードショット・バックショット・スラッグの各弾種に幅広く対応し、マガジン交換式の給弾系統は戦術的な迅速再装填を可能にする。競技射撃(スリーガン競技)においてはその信頼性と高い改造自由度から支持を得ており、ピカティニーレールや社外製ストックの装着が容易である点も評価される。
歴史
本銃はロシアのヴャトスキェ・ポリャーヌイ機械製造工場(通称:モロト工場)によって開発され、2000年代初頭に民需・法執行機関向けとして市場へ投入された。工場名「モロト(Молот/鎚)」がモデル名に冠されており、同工場はソビエト連邦時代からAK系小火器の生産実績を有する。
アメリカ市場では2010年代を通じてRWC Groupなどを通じた正規輸入が行われ、競技射撃コミュニティで高い人気を博した。しかし2014年のウクライナ情勢悪化に伴う対ロシア制裁を経て、2017年にアメリカ財務省外国資産管理局(OFAC)がモロト社を制裁対象に指定したことにより、同国への正規輸入は事実上停止している。
構造
フレームはRPK由来の厚肉スタンプドスチール製レシーバーを採用し、同系統の標準AKレシーバーより剛性が増している。ガスシステムはバレル上部に配置されたガスポートから燃焼ガスを取り出しピストンを駆動する長ストローク・ガスピストン方式であり、汚染環境下でも作動信頼性が高い。
バレル長は固定ストックモデルで約430 mm(18.5インチル)が基本となる。給弾はAKスタイルのロッキングレバーで着脱するボックスマガジンを使用し、2・5・8・10発の各容量が公式に存在する。チャンバーは3インチマグナム(12/76)に対応し、2¾インチ(12/70)弾薬との互換性も維持する。
運用と実戦運用
ロシア国内では一部の法執行機関および民間警備分野での採用事例が報告されているが、軍の主力制式採用銃としての公式記録は限定的である。民間市場では自衛・ホームディフェンスおよびスポーツシューティング用途が主体であり、特にIPSCおよびUSPSA主催のスリーガンマッチにおいて国際的な競技者に使用実績がある。
アメリカ市場では輸入停止前に流通した個体が中古市場で高値を維持しており、その堅牢性と改造対応力から現在もコレクターおよび競技者の間で評価が高い。
派生型
ヴェープル12には複数のバリアントが存在する。折り畳み式ストック仕様(ヴェープル12-04など)はコンパクト性を重視したモデルであり、ピストルグリップ一体型やサムホールストック仕様も製造された。バレル長や給弾機構の微差により型番が細分化されており、輸出規制への対応として銃床形状を変更したバリアントも確認されている。
参考情報
・Jane’s Infantry Weapons(各年版) ・OFAC制裁リスト(米国財務省、2017年公表) ・モロト・オルジエ社公式製品資料(ロシア語) ・Gun Tests Magazine および Guns & Ammo 誌掲載レビュー記事(2010〜2016年) ・IPSC/USPSA公式競技レギュレーション(装備適合記録参照)
